
昨日は、ヤン・バウタース氏(PSVコーチ)にアポを取ってもらいAjaxの下部組織があるDe Toekomstにお邪魔してきました。今回、お話を聞かせてもらったのはアカデミー・ダイレクターのJan Olde Riekerink氏。非常に威厳があり、ちょっと頑固そうな方でしたが、最後には素敵な記念品まで頂き大変良くして頂きました。
さて、今までサッカーの練習を見て、驚き、そして鳥肌が立ったことが3度ありました。一度目は、高校に入学し、初日の練習の際に見た宮原(愛媛FC)、と金古(鹿島)、そして、エバートンのトップチームで練習をしていた、当時16歳でデビュー前のルーニー、それから、ManUのトップチームの練習を初めて見学した時でした。そして、今回のAjax視察がまさに4度目の衝撃でした!!!Ajaxの下部組織が有名なことはもちろん周知の事実でしょうが、正直これほどまでとは思いませんでした。育成年代では、PSVよりもすべての面においてレベルが高いように感じます。
Jan氏が、今までの成功の秘訣を、“歴史”、“明確な哲学”、“戦略”、そして“Ajaxの形にはめ込む”という言い方をされていましたが、サッカーには様々なアプローチの方法があると思うので、Ajaxの様にトップから育成まで4-3-3もしくは3-4-3の形で、かつ、幼いころからポゼション中心の練習メニューを組み、選手を育成していくやり方が、もちろん一概に正解だとは言い切れないと思います。ただ、突発的な一時の結果を求めるのではなく、クラブとしての“明確な方向性”、そして“ぶれないやり方”が、現在の彼らの地位を築き上げてきたのではないでしょうか(現在、多少の混乱はあるようですが)。
また、コーチの選定をどのように行っているのかという質問をぶつけてみたところ、サッカーの知識が豊富であることはもちろんのこと、Ajaxの考えを共感でき、かつ自分自身の工夫で、知識の上に知恵を持てる人間という表現をされていました。そして、やはり一番重要なのはパーソナリティーの部分だと言う事も強調されていました。最終的に、組織とは人が作り上げるもの。その部分を大事にしてきた結果が、今の成功となって表れているのでしょう。成功すべくして、成功したクラブであると思います。本当に興味深いチームです。
施設に関しては、一部のプレミアリーグのクラブほどの規模ではないものの、選手教育のためのITルームや、リハビリ用プール、ジムなどを兼ね備えており、必要最低限のものが揃っていました。そして、何より珍しかったのがクラブハウスの中にあった“Dojo”!Ajaxでは、体操や柔道をトレーニングの一環として行っているようで、きちんと畳も敷かれており、専属の指導者の方もいらっしゃるようです。とてもユニークですよね!
それから、余談ですが、見覚えのある顔がクラブハウスにありました。以前Ajaxに所属していた、ラファエル・ファン・デル・ファールト(現ハンブルグ)が遊びに来ているのかなど、わけのわからないことを考えていましたが、FDBのイニシャルが入ったジャケットを着て子供たちを指導していたので勘違いかなと思っていたところ、今考えるとフランク・デ・ブール(ファン・デル・ファールトに似てませんか!?私も眼鏡が必要でしょうか…)だったのですね!来年PSVもコクーを育成のコーチとして迎えるようですし、黄金世代を支えた選手たちが引退して、育成年代の指導者としてキャリアをスタートさせているようですね。
また、クラブハウスの中で練習を終えた選手達が食事を取っていましたが、見事にテーブルが白人、黒人という形で別れていました。名古屋時代も、遠征の際はベテラン+意識の高い(?)若手、中堅、そして若手選手と、だいたいいつも同じ顔触れが同じテーブルについていましたが、ここでも何かしらグループがあるのでしょう。
さて、明日はいよいよUEFA Cup準々決勝の第2戦ですね。今日の夕方に、白のジャケットと紫のジャージを着こんだド派手な集団が街を歩いていました。どうやらフィオレンティーナはアイントホーヘンの市内に滞在しているようです!アフェライ、ファルファンといった主力選手が欠場するのはPSVにとって非常に大きな痛手ですが、アウェイのような戦いぶりで是非良い結果を期待したいですね!
==写真==
Ajax下部組織の練習場(青のジャージを着ているのがフランク・デ・ブール、後ろに見えるのがクラブハウスと、スタジアム)
練習場からスタジアムが見えるのは子供たちにとって刺激的でしょうね!2,3年後にはトップチームも同じ敷地内に移ってくるようですし、トップチームを間近に感じながら練習できるのはとても大きな意味があるのではないしょうか!?スタジアムから練習場まで、歩いて約5分の距離。近すぎず、遠すぎずで、目標としてもちょうど良い距離!?