2008年05月03日

PSVの優勝に想う

クーマン前監督がバレンシアに引き抜かれ、バウタース暫定監督を含め、今季だけで3人も監督が交代し、シーズン中は非常に混乱していたようですが、そういった状況下でも最終的にチーム自体は非常に良くまとまっていました。(ちなみにセフが1月からチームを率いての通算成績は、リーグ戦10勝1敗6分=リーグ優勝=、UEFA杯3勝2敗1分=ベスト8=)

以前も書いたと思いますが、正直な感想を言うと、PSVは“挟間の時期”にあり、個々のレベルだけを見れば、Ajaxの方が上回っていたと思います。23歳以下の若手が5人以上出場した試合も数回ありましたし、日程的にも、ヨーロッパの大会の関係もあり、選手層の薄い中で他チームよりも10試合以上多くこなしていたと思います。

ただ、試合を見ていて一番感じたのが、どんな状況でも、“落ち着き”と“まとまり”を感じました。ゲーム開始時のパフォーマンスを、90分間通して継続する事ができ、相手に先制を許しても、自分達のサッカーを変えようとしませんでした。サッカーにおいて一番重要な場面は、ゲームが動いた後のパフォーマンスだと思います。失点すれば、それだけ、焦る気持ちが生まれますし、そこで攻め急ぐと、チームの共通認識が壊れてしまい、その結果間延びして、更なる失点につながる事が恐れがあります。ただ、PSVは、きっちりと自分達のサッカーを90分間通して“貫く”、落ち着き、力強さ、そして自信を感じました。


PSVの成功は、今年に限ったことではありません。ここ最近の成績を見てみると明確ですが、リーグ戦だけ見ても、過去10年のうち7回チャンピオンに輝いています。また、ある試合分析を行っている会社も、ヨーロッパの中で過去3年間一番勝率が良かったのはPSVだというデータが出ていました(もちろん、イギリス、スペインリーグ等に比べて他チームとのレベルに開きがあることも要因の一つのようですが)。

では何故ここまで成功を収めているのでしょうか?

その大きな要因は、クラブの明確な方向性とビジョン、スカウティングの充実、育成の充実、豊富な人材(優秀なスタッフ)にあると思います。

残念ながら、オランダで成功している選手達は、イングランドやスペインなどのビッククラブが狙っています。ただ、そのことを常に念頭に置き、常に危機感を持って、いつでも“後釜”(補強リスト)が準備されているようです。事実、今年の冬に獲得したハンガリー人のジュジャク選手は、急遽補強リストの中からピックアップされたようです。

オランダサッカーに精通した人々は口を揃えて、「PSVの成功はスカウティングシステムの成功にある」と言われます。そして、スカウト部長のクラス氏に話を聞くと、確かに、すごく緻密なスカウティングシステムに驚かされました。来季、リーグ5連覇とチャンピオンズリーグで好成績を収めるためには、大型補強が必要な気がしますが、これだけシステムが整っていれば、問題なくレベルの高い選手が取れると思います。

他にもサテライトや、下部組織の中にも多くのタレント性豊かな若手選手達が在籍しており、クラブとしてもPSVの将来を担う選手の発掘、育成に励んでいました。

大きく分けて、育成型のクラブと、大金を出して良い選手を獲得する事でクラブ作りをしていく、2通りの方法があると思います。PSVは、どちらの方法もバランス良く使い分け、自分達の哲学、ビジョンのもと、しっかりとしたクラブ運営がされているように感じました。そして、現状に満足することなく常に上を目指す姿勢が、ここ数年の成績に表れているように、現在の彼らの確固たる地位を築き上げたのだと思います。


さて、北京オリンピックの対戦相手の一つがオランダに決まりましたね。PSVからオリンピック代表候補として挙げられるのは、アフェライ、アイサティ、マルセリス、バッカルの4人でしょうか(ただ、アフェライはユーロ2008のメンバーに選ばれる可能性があるので、そうなればオリンピック代表の方には選出されないようですが)。この4人は、すでにPSVの中心選手で、ヨーロッパの舞台でも経験を積んでいます。他にも国内外で活躍する選手が多くいますし、ぜひ2連勝して、オランダ戦を迎えたいですね!
posted by ryo at 03:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブログ

帰国後、このブログをどうするか考えていましたが、とりあえずは続けていこうと思います(更新頻度は鈍ると思いますが)。今後も、日々の生活で感じた事などを(くだらない事も多いのですが)綴っていこうと思うので、暇な時間に読んで頂ければ幸いです。

今後もよろしくお願いします。
posted by ryo at 03:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

継続は力なり(形のあるクラブは強い!?)

先日、チケットを頂いたので、久しぶりにJの試合(浦和レッズ-コンサドーレ)を見に行ってきました。そこで、視察に訪れていたあるコーチの方と話をしたのですが、オランダが強い理由の一つに、「伝統的なスタイルを継続して行っているからではないか」という事を言われていました。

確かに、バルセロナ、アヤックスなど伝統的に強いチームには、“ぶれない形”があります。これらのアイデンティティーは、長い歴史の中で、試行錯誤を重ねて、そのクラブをサポートする人々の考えにあったサッカーが出来上がって、作られてきたものでしょう。そして、その方向性の“核”となるのが監督だと思います。もし、チームのスタイルにそぐわない監督を招聘してしまえば、サポーターからの非難は避けられないでしょう。また、ManUや、アーセナルなども長期政権でチームを作り、監督に選手獲得の際の権限をゆだねていることで、チームとしてのぶれないスタイルがあります(もちろん移行期間で一時成績を落とす時期もあるのは仕方がないと思いますが)。

まず監督を招聘する際に考えなければいけない点は、クラブとして、どのようなサッカーをしたいのかという部分を明確にする事だと思います。簡単な例を挙げれば、攻撃的な4-4-2のスタイルを得意とする監督を招聘したのに、蓋を開けてみれば、サイド攻撃の核となる、サイドの選手がおらず、また、移籍でそのスタイルに合った選手を獲得できないのであれば、戦い方自体を変更しなければならず、その監督の長所を活かすことができずに、その監督を招聘したこと自体に?マークがついてしまいます。

クラブが長期的なビジョンを持って成功を収めるために、まず考えなければいけない事は、クラブとしてのサッカースタイルなのではないでしょうか。Ajaxを訪問した際も、しつこいくらいに、「育成年代からAjaxのスタイルに合った選手を育成する。そのスタイルに合わない選手がいれば、例えどんなに優れた選手でもチームを離れることになる」という事を言われていました。もちろん、“型にはめ込む”事が、全てではないにしろ、明確なビジョン=明確なスタイルを持つことが、一番重要ではないでしょうか。そういう観点から行くと、Ajaxの監督選びは簡単なのかもしれません。

まずやりたいサッカーを考慮した上で、そのスタイルに合った選手、また、監督を連れてくる。この一貫性が長期政権を収める最大の秘訣ではないでしょうか!?クラブとしての方向性にあった監督を招聘し、その中で彼ら自身の個性を発揮してもらうことがベストでしょう。ただ、一番重要なのは、その要素を充分に理解し、明確に見極めることのできる人物が一番上に座らなければいけないのでしょうね。

“形(方針)=歴史”なのでしょうが、監督をころころ変えたり、様々なスタイルを取り入れたりしていては、一時の成功はあっても、長期の成功はないのでしょう。Jリーグでも、鹿島が結果を出し続けているのも、J創設時から一貫してブラジル人路線(良し悪しはわからないので別にして)を継続しているのも大きな要因の一つではないでしょうか。

まぁ、当たり前の事なのでしょうが、トップが変われば“決断”も変わります。ただ、その決断をぶれさせないようにするのが、歴史であり、一番核となる人達=ファンの方々の思いなのでしょうね。そういう意味では、バルセロナが、選挙を行い、会長を選出するやり方は合理的なのかもしれません。
posted by ryo at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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